結論から書くと、二丁目のゲイバーを複数軒梯子したが小川を知っている、と答えた人は一人もいなかった。ご丁寧に私はグーグル検索して氏の顔写真を見せたが、皆知らないという。では杉田水脈議員はどうかというと、こちらも名前を知る者はいない。
この夏、LGBT(むろん、一括りにできない複雑性を有するのだが)への支援の度が過ぎる、という寄稿を巡って杉田辞任を求める抗議デモが自民党本部前で盛り上がったが、当の二丁目は、台風の目のごとき無風地帯であった。
考えてみれば当たり前だ。小川は地上波テレビにはほとんど登場したことがない。杉田はもともと維新の会→旧次世代の党で落選の後、長い下野期間を経て衆院比例中国で自民党の公認を受けて返り咲いたが、当選は二回で入閣経験はない。下野時代に一部の極端なネットユーザーから熱狂的な支持を受けたが、その範囲は所詮ネットのアイランドに限局されている。
二丁目の目抜き通りを歩いていた私は若い女性から「朝のテレビに出ている人でしょう」と特定されて写真撮影を求められたのだから、考えてみれば小川や、或いは杉田よりも私の方がよほど知名度があるのかもしれない。たぶん収入は私の方がずっと低いと思うが。
今回、二丁目の「水先案内人」として同行してもらったNPO法人「市民アドボカシー連盟」代表理事の明智カイト氏は、小川の作文を観て「まず“性的嗜好”と書いているが本来は”性的指向”と書く。最初っから言葉の使い方が間違っている。また、文章全体に漂うLGBTへの偏見もごく紋切り型で、古典的な差別感情としては特段珍しくない」と一笑に付した。同氏はゲイを公言してLGBTの権利擁護のためにロビー活動を行っているが、当の本人は小川の作文を何ら気にしていないようだ。
◆アンジーだって公言した