諸星、ダイアモンド☆ユカイ、クロちゃんの3人で争われることなった最終ステージ4。参加者が減ったこともあり、スタジオも小部屋となる。その部屋の中央に運び込まれたのが、蓋のないホットプレート、鉄板の上にはポップコーンがてんこ盛り。時間の経過とともに熱でポップコーンは弾け飛び、部屋に散布。その1つが諸星のダメージジーンズの隙間へイン。だが、諸星は少しの狼狽を見せるのみ。
この構図だけを知れば、熱さに若干の反応を示す諸星は面白いとなるのだろう。しかし、実際に映像で見るとなんともいたたまれない。火傷に耐えるかーくんの根性は尊敬できるが、どうしても同情が優ってしまう。『FREEZE』の画面から漏れる暴力性は高い。
各所で評判の悪い『FREEZE』だからこそ讃えたかったが、やっぱりできなかった。他の番組では冷静なジャッジを下す松本チェアマンが、『FREEZE』においては冷酷な松本支配者に見えてくる。他人の苦痛で笑ってしまうことは分かっているつもりなんだけどなぁ……、いきすぎといえばそれまでなのだが。『ドキュメンタル』で芸人は意気揚々と参戦するが、『FREEZE』ではドッキリ形式で参加者となる。前者の好きでやっていることで生まれる笑い、後者の無理矢理やらされて生まれる笑い。この2つに差が生まれてしまうことは必然か……。
唯一褒める点があるとすればデザイン性の良さだけ。あまり言及されることはないが、松本がプロデュースする番組のロゴ、セット、DVDパッケージはどれも洗練されている。『FREEZE』も同様にビジュアル面だけはすべっていなかった。