高齢者による交通事故の急増を受けて75歳以上が免許更新する際の「認知機能検査」がスタートして1年半が経過する中、“試験対策本”が売れている。
〈今年は何年ですか〉──そんな設問で始まるのは、『運転免許認知機能検査 まるわかり本』と題された1冊だ。今年5月に発売されると全国の書店で売り上げを伸ばし、10月現在ですでに7万部を突破した。
ベストセラーとなった背景には高齢ドライバー問題がある。免許保有者10万人当たりの死亡事故件数は75歳以上が75歳未満の2倍以上にまで膨れ上がっている(警察庁調べ)。認知症を疑われるドライバーによる危険運転が相次いだことを受け、昨年3月に強化されたのが、「認知機能検査」だ。
75歳以上の高齢者は、3年に1度の免許更新時に受検が必須で、100点満点中49点未満だと「認知症の恐れあり」として専門医の診断が求められる。医師に認知症と判定されると、免許の停止や取り消しの行政処分を受ける。
導入時からの1年間で「恐れあり」とされた人は約5万7000人で、そのうち医師の診断などを経て免許取り消しや停止処分を受けたのは約1900人。自主返納した人などを合わせると約2万人が運転を断念した。
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