【1】椅子の背もたれやテーブルなどに手を添えて立ち、「1」でかかとで踏ん張って、つま先を上げる。
【2】「2」で、かかとを上げて、つま先立ちをする。
【3】「3」「4」とそのままの姿勢をキープ。
【4】「5」で、かかとをストンと落とす。
目標は一日30回程度。10回を3セットでもかまわない。
ポイントは、1~5まで声を出しながら、リズミカルに行なうこと。リズミカルな運動をすると、セロトニンという幸せホルモンが出やすくなる。セロトニンが不足すると、うつになりやすくなるので、日常生活のなかにリズミカルな運動を増やしてみるのもいい。
鎌田式かかと落としのもう一つのポイントは、つま先を上げること。ふくらはぎの筋肉が伸びるとともに、すねの筋肉も刺激される。初めはつま先が上がりにくい人もいるかもしれないが、やり続けていくうちにできるようになっていく。
高齢になると、平らなところでつまずくことがよくあるので、つま先が上がるようにしておくことは転倒予防に大事なのだ。
また、ふくらはぎの筋肉を柔らかくすれば、足の裏の足底腱膜への負担が少なくなる。定年後、時間に余裕ができて、急にゴルフなどの運動を始めたら、突然、朝、かかとに激痛が走って、足が着けないというのは、中高年の足底腱膜炎の典型的な症状だ。
こうした転倒や足のトラブルを防ぎ、一生、自分の足で歩くためにも、ぜひ、鎌田式かかと落としを実践してほしい。
以前、この連載で紹介した鎌田式スクワットは太ももの筋肉を強化するためのものだが、鎌田式かかと落としを一緒に行なうと、下半身の全体の筋肉を刺激することができる。