11月15日、天皇・皇后は北海道厚真町を日帰りで訪問し、9月6日に発生した北海道胆振東部地震の被災者・遺族を見舞われた。7週連続で被災地・避難所を回った東日本大震災をはじめ、平成の30年間において被災地訪問を続けられてきた。
12月で85歳を迎える天皇は、現在でも年間約200件にのぼる公務をこなす。一昨年、生前退位のお気持ち表明の際に「高齢による体力の低下を覚えるように」なったことを述べられたが、退位を5か月後に控えた今も変わらず矍鑠(かくしゃく)としたその佇いは活力に満ちている。
天皇の日常を知る人々の言葉に耳を傾けると、その“健康習慣の秘密”が垣間見える──。
◆84歳で“背筋ピン”
「避難施設で被災者と対面された陛下は、相手に目線を合わせ、立っても座っても背筋をピンと伸ばされたままで、ひとりひとりにお声をかけられていました。陛下の姿勢の良さは昔から変わりません」(北海道訪問に同行したベテラン皇室記者)
年齢を重ねても健康な人に共通するのが「姿勢の良さ」だ。長時間の式典や行事でも姿勢を崩すことのない天皇の姿は印象深い。学習院幼稚園時代からのご学友で、高等科馬術部で3年間チームメイトだった明石元紹(もとつぐ)氏が明かす。
「東宮傅育官という、陛下の養育係の立場にいた東園基文さん(故人)が、陛下に厳しく『姿勢を正しなさい』とよく仰っておられました。当時は旧憲法下でしたから、いずれは国家を引っ張る大元帥となる陛下に威風堂々たる風格を備えてほしいという意味があったのだと思います」