秋津医院院長の秋津壽男医師(総合内科医)は、良い姿勢を保つことは「病気予防そのもの」だと指摘する。

「式典などにお出ましの際、陛下の姿勢や歩き方を拝見すると、同年代の人に比べてとても美しい。お立場上、常に国民の視線を意識されているのでしょう。背中を丸めた姿勢でいると、肺やお腹が圧迫されて呼吸機能や腸のはたらきが低下する。陛下のような背筋がピンと伸びた姿勢だとそうしたことはなくなりますし、歩く際も足腰への負担がかかりにくくなります」

 天皇・皇后は長年、御所を出てすぐの吹上御苑の森を1キロほど散策することを、毎朝の日課にしてきた。2012年2月に心臓のバイパス手術を受けて以降は、散策に「スロージョギング」を取り入れた。徒歩での散策の途中、300メートルほどの距離を3回にわけて早歩きする。

「体力低下のため家でじっとしているという人は多いですが、運動量が減ると余計に身体機能が低下して転倒リスクが高まります。陛下のように、常に歩くことが予防になります。

 加えて、早足くらいのスピードで走るスロージョギングは、心臓に適度な負荷がかかるため、血流の低下を防ぐことができ、心筋梗塞などの心血管疾患リスクの予防につながると考えられます。少し息が上がりながらも、何とか会話できるほどのペースが目安となります」(秋津医師)

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