「2015年に決勝7位だった『メイプル超合金』は今やバラエティ番組の常連ですし、ここ数年、敗者復活戦止まりの『三四郎』も同様です。テレビ露出が増えるかどうかとM-1での実績はかならずしも一致しないということですね」(同前)
お笑い芸人がバラエティ番組で活躍できるかどうかのポイントはどこにあるのか。別のテレビ局ディレクター・Bさんが語る。
「テレビ的に言うと、最初に使いたいのは“回す”ことができる芸人です。そしてもうひとつは、ひな壇で存在感を放つことができるタイプ。昨今、ネタ番組があまりないなか、このどちらかにポジションを得ることができなければ、バラエティで起用するのは難しい。ただ、前者はすでに40代以上の芸人が占有している状況なので新規参入のハードルは高い。上が詰まっているというやつですね」
そうしたバラエティ界の状況を踏まえると、今回優勝した霜降り明星はどうか。
「彼らが全国区のバラエティで活躍するには、まずはひな壇で爪痕を残すことが大事。せいやの場合は、バイトでの失敗談、“生きるのが下手”なエピソードなど、盛り上げられる持ちネタもありますが、ネタ切れしてしまわないか心配。カラダを張ってどんどんチャレンジするのが良いと思う。じつは頭脳派な側面もあるので、見せていって欲しいですね。
粗品は頭が切れるうえに、コミュニケーション能力が高いので、将来的にはワイドショーなどでの起用もおもしろい。あるいは、好青年に見えて大のギャンブル好き、イケメンなのに“童貞キャラ”というギャップで売ることもできる。クラシック音楽にも詳しいので、音楽番組でもキャスティングできそうです。
作り手側からすると、スベることを恐れずとにかくしゃべって欲しいし、なんであれ居た方が面白いという印象が生まれると起用しやすい。あとは、どんなジャンルでも対応できる、コメントしてくれそう、という安心感があるとなおいいですね。