【1000年間】
購入期間が1000年の場合はどうか。日本史では1000年前といえば、平安時代。藤原道長が権勢を振るって、「この世をばわが世とぞ思ふ望月の かけたることもなしと思へば」などと詠んだ時期だ。その頃からいままでの間、ずっと宝くじを買い続ける感じになる。
そこまでしても、累積の1等の当せん確率は4.9%ほどだ。1000年間で、くじの購入につかったお金は、1億8000万円。この金額を眺めると1等に当せんしてもおかしくないという気がしてくるだろう。
【1万年間】
購入期間が1万年の場合はどうなるか。1万年前といえば、日本史では縄文時代に相当する。その頃から現代までと同じ時間の長さに渡って、ジャンボ宝くじを買い続けることとなる。「そもそもいまから1万年もジャンボ宝くじは販売され続けるのだろうか?」などと考えるのは、意味がないのでやめよう。
累積の1等の当せん確率は39.3%となる。このうち、1等に1回当たる確率は30.3%。2回当たる確率は7.6%。3回以上当たる確率も1.4%ある。問題は、1万年の間に支払う費用だ。なんと18億円にも及ぶ。1等に1回当せんして3億円~10億円を受け取っても、収支は赤字だ。何回も1等に当せんしないかぎり、収支が合わない。もはや、夢を買う、といった感じではなくなってくる。
【1万3863年間】
では、購入期間をいったい何年間にすれば、その間に1等に当せんする累積の確率が50%を超えるのだろうか。計算してみると、1万3863年となった。つまり購入期間を1万3863年とすると、その間に少なくとも1回は1等に当せんするという累積の確率がようやく50%を超える。
1万3863年前といえば、日本史では、旧石器時代の終わり頃となる。その頃から現代までの年数に渡って買い続けることで、1等当せんの感動を味わえる可能性が半分以上に高まる。
【9万2103年間】
1等に当せんする累積の確率が99%を超えるためには、購入期間を何年間に設定すればよいだろうか。計算してみると、9万2103年となった。
9万2103年前といえば、日本では阿蘇山が噴火して阿蘇カルデラができた頃だ。その頃から、現代までの年数に渡って買い続けることで、1等当せんの感動を味わえる可能性が99%以上に高まる。収支は度外視して、ただひたすらに1等に当せんすることだけを目指すのであれば、「継続は力なり」といえるのかもしれない。
宝くじの継続購入で、1等に当せんすることの奥深さが確認できたのではないだろうか。毎回くじを100枚や、200枚こつこつ購入したとしても、10年や20年といった期間では、累積の1等当せんの確率は小さいままだ。
「ジャンボ宝くじを買い続けよ」と家訓に残して、遠い子孫たちに不思議がられるようなことはやめて、素朴に一攫千金を夢みるような楽しみ方がふさわしいように思われるが、いかがだろうか。