トヨタ自動車が2002年まで製造・販売していたスポーツカー「スープラ」の新型モデルが今年早々に発表される。若者のクルマ離れも叫ばれて久しい中、トヨタは“尖った”スポーツカーの復活にどんな想いを込めているのか。自動車ジャーナリストの井元康一郎氏がレポートする。
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若者のクルマ離れ、クルマの購入意欲が高い団塊世代が高齢化でクルマから降りる「2025年問題」、都市部への行きすぎた人口集中による需要減など、逆風だらけの日本の自動車市場。日本メーカー各社にとって、マザー市場がこれ以上縮小するのは死活問題だが、決定的な打開策は見出せていない。
そのような状況の中、トヨタ自動車は2019年、かつてラインナップしていたスポーツクーペ「スープラ」を復活させる。これまでもコンセプトカーをたびたび公開してきたが、1月14日の米デトロイトモーターショーでいよいよ市販モデルを世界初公開するという。
発表の場がアメリカであることからわかるように、主戦場はアメリカ市場。だが、アメリカだけでなく、日本市場をはじめ、先進国市場を中心に世界展開が図られる見通しだ。
新型スープラの詳細な情報はショーで明かされることであろうが、断片的な情報はすでに相当伝えられている。
プラットフォームはトヨタと技術提携関係を結んでいるBMWのもの。エンジンはBMWの3リットル直列6気筒ターボ。パッケージングは後輪駆動、2シーターで、ボディはクーペのみ。BMWモデルで言うとラグジュアリーオープンカーの「Z4」に相当するが、性格付けはグランドツアラーではなくリアルスポーツにぐっと寄せられるという。