国際情報

台湾留学の中国人学生、習近平批判で帰国命令「暗黒政治だ」

台湾留学の中国人学生に帰国命令

 台湾の清華大学に留学している中国山東省出身の21歳の男子学生、李家宝氏が帰国命令を中国政府機関から受けた。李氏は「習近平中国国家主席は言論を弾圧しており、大陸には自由がない。私はそのような習近平の独裁体制に反対だ」などと語っている様子をツィッター上でライブ動画を配信した。これにより、中国政府傘下の中台留学生交換手続きをしている政府系機関から「7月の卒業を待たずに、すぐに帰国せよ」との命令を受けたのだ。

 李氏は大学を通じて、中国政府から政治的迫害を受ける可能性があるとして、台湾当局に「政治保護」を申請したことを明らかにした。米政府系報道機関「ラジオフリーアジア(RFA)」が報じた。

 李氏は「習近平が2012年に薄熙来(当時の四川省重慶市党委書記)を汚職などの罪で裁いた時には中国にも『立派な政治的人物が現れた』と称賛したが、それはあくまでも一時的な錯覚だった」と述べた。そのうえで、「1年前に中国の憲法を改正して、国家主席の任期10年を撤廃したことで、中国の千年王朝の帝政の延長であり、事実上の皇帝誕生だ」と習氏を非難。

 さらに、「今の中国は英作家ジョージ・オーウェルが描いた荒唐無稽な世界のようで、政治状況は(清王朝の崩壊につながった1911年の)辛亥革命の前より暗黒政治と化している」などと指摘した。

 また、李氏は中国共産党政権による人権侵害や、メラミン混入粉ミルク、不正ワクチンなどの問題にも言及。「中国人には自由も尊厳もない。台湾と同じように、中国でも言論の自由や民主主義を満喫できる日が訪れるよう願いたい」と述べている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン