最近、世界的な問題となっているのが、インプラント周囲炎である。これは、歯周病のような症状がインプラントに起こるもので、最悪の場合は撤去しなければならない。
この事態を防ぐためにも、インプラント手術後は、定期的なメンテナンスに通うことは必須とされている。
国民生活センターの相談内容でも、インプラント周囲炎のケースがあった。埼玉県在住の40代女性は、自宅近くの歯科医院で3本のインプラント手術を受けた。そのうち2本が抜けてしまい、その部分の顎の骨が半分溶けていたという。女性はメンテナンスに通っていなかったが、それは手術した歯科医が特に説明をしていなかったからだという。
同センターのアンケートでは、インプラント手術を受けた人の4割程度がメンテナンスを受けていなかった。理由は「異常や違和感が無い」(34.4%)、「歯科医師から指示が無かった」(27.3%)となっている。
インプラント治療の先駆者で歯科医を指導する小宮山彌太郎氏(ブローネマルク・オッセオインテグレイション・センター院長)は、こう指摘する。