一方、伸長を続ける缶チューハイ市場で、「氷結」擁するキリンビールに対し、「-196℃ストロングゼロ」を主力にキリンと2強を形成するサントリースピリッツも、レモンサワー市場を深掘りしている。
「-196℃ストロングゼロ」も3種類あり、「ダブルレモン」は、果実の浸漬酒と果汁をダブルで使用し、アルコール度数高めの飲みごたえと、しっかりとしたレモンの果実感が特長だ。
また、「ビターレモン」は、ほろ苦さを引き出したレモンピール(果皮)浸漬酒とレモンまるごとの浸漬酒を使用し、レモン果皮本来のほろ苦さが楽しめる、甘くないすっきりとした味わいが特長。「瞬間レモン」は、たっぷりの浸漬酒(ダブルレモン比1.2倍)に果汁を加え、ガス圧を強めに設定し、1口目から瞬時に広がる果実の香味と爽快な炭酸の刺激が特長、というのがサントリー側の説明だ。
さらに昨年2月、「こだわり酒場のレモンサワーの素」という濃縮タイプの瓶商品を売り出したところ、想定以上にヒット。これを受けて今年は、3月5日から缶商品で「こだわり酒場のレモンサワー」(アルコール度数は7%)も投入した。レモンをまるごと漬け込んだ浸漬酒と、複数の原料酒をブレンドし、レモンの味わいとお酒の旨みがしっかり感じられる中味が特長だとしている。
「初動としては好調なスタートを切っており、お客様の評判も上々。缶には手軽さ、瓶には自分好みの濃さでお楽しみいただけるなど、それぞれのメリットがある。レモンチューハイとレモンサワーは、特に違いはないと考えており、商品特性に応じて商品のネーミングとして使い分けています。
当社も多くのレモンフレーバーチューハイを発売しており、商品間の多少のカニバリはあるかもしれませんが、お客様がレモンサワーに求める価値は多様化しており、それぞれのニーズにあった商品を投入することで、市場はさらに活性化できると考えています」(サントリーホールディングス広報部)
「こだわり酒場のレモンサワー」についてのエクステンション(味わいやアルコール度数の多様化)も「様々な可能性を検討している」(同)というから、販売が拡大すればあり得そうだ。