まず、「CX-30」は、どのようなクルマなのかという点に注目しましょう。「CX-30」のプレスリリースのタイトルには「新型コンパクトクロスオーバーSUV」とあります。全長は4395mmで十分にコンパクトと呼べるものですが、現行「CX-3」の全長4275mmよりも若干大きくなっています。
デザイン的には、エレガントさの中にも若々しさがあり、よりパーソナル指向が強いように思われます。聞くところによると「CX-30」と「CX-3」は併売という格好になるとか。つまり、マツダのラインナップに、これから似たような車格に2つのモデルが存在することになります。そして、それこそが、「CX-30」の二桁数字の理由ではないでしょうか。
つまり、二桁の数字を使うことで、車種のバリエーションを拡大することができるのです。逆に、車格に対して、ひと桁数字しか使っていないと、車種のバリエーションに制限がかかってしまいます。
ニックネームであれば「ハリアー」と「RAV4」のように、車格の近い車種を複数販売することができます。ところがマツダには「CX-3」「CX-4(中国向け)」「CX-5」がすでに存在しており、新型車に使えるひと桁数字がなかったのが実情です。その解決策として登場したのが二桁数字だったのです。
これは画期的な解決方法と言えるでしょう。なぜなら、他のモデルにも利用することができるからです。「CX-50」や「CX-80」かもしれないし、「マツダ30」「マツダ60」かもしれません。二桁目の数字を変えた「CX-55」という可能性もあります。乗用車系、SUV系、スポーツ系という基本ラインナップが従来通りのひと桁数字であれば、バリエーションとなるのが二桁数字になるのではないでしょうか。
そうした可能性の中には、「4ドアクーペセダン」や「クロスオーバー風のステーションワゴン」「アセアン向けのコンパクトMPV」「アメリカ向けのライトトラック」「中国向けのEV」などといった、さまざまなモデルが想像できます。
マツダの未来を、よりワクワクしたものにする数字。それが「CX-30」で採用された二桁数字と言えるでしょう。