大型連休の楽しみ方は人それぞれである。旅に出る人が多いからといって特に予定がないことに危機感を覚える必要もない。1968年に来日したアーセナルの試合を国立競技場で見て以来のイングランドサッカーファン、ライターの東田和美氏がレポートする。
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欧州チャンピオンズリーグ(UCL)のベスト4が出揃った。
マンチェスター・ユナイテッド(以下ユナイテッド)との人気カードで格の違いを見せつけたバルセロナ。3連覇中のレアル・マドリーに続いて、今シーズン、そのマドリーから移籍したC・ロナウドを擁するユヴェントスをアウェイで、しかも逆転で打ち破ったアヤックス。ラウンド16でバイエルンを破り、その勢いで曲者ポルトを一蹴したリバプール。
そして18日未明(日本時間)、プレミア同士の壮絶な戦いを制したトッテナム。もしVARがなかったら、アディショナルタイムのマンチェスター・シティ(以下シティ)のゴールは認められており、両者の立場はまるで違った。世界中でどれほどの人が、このドラマの残酷さに魅入られたのだろうか。ゴールが決まったと思われた直後の、両監督の姿を見るだけでも生中継を見ていた甲斐があったというものだ。
準決勝はもう2週間後。まずはエースであるハリー・ケインの故障、絶好調ソン・フンミンの出場停止は痛いが、勢いのあるトッテナムと、前評判を覆した“クライフ魂”が生きる若きアヤックス
もう1試合は昨年の悪夢を断ち切った優勝最右翼といわれるバルセロナと、プレミアの覇権との2冠を目指す絶好調リバプール。連休中にこんなカードが観られるなら、どこへも出かける必要などないほどだ。
ベスト4にリバプールとトッテナムの2チームが残り、ことによればイングランド・プレミアリーグ同士の決勝も可能性が出てきたが、ここにきてそのプレミアリーグも大激戦。このUCLとも大いに関わってくる。
現在優勝争いはリバプールとシティの2チームに絞られている。リバプールが残り4試合で勝ち点85、シティが残り5試合で勝ち点83。すでに直接対決は終わっているため(もしかしたらUCLの決勝で同じカードを見られたかもしれなかった!)、残りカードではどちらも引き分けさえ致命傷になる。リバプールはすでに降格の決まった最下位ハダースフィールド、18位(残留争いをしているチームもイヤなものだが)のカーディフ、15位のニューキャッスル、8位のウォルバーハンプトンを残すだけ。合間にバルセロナとのUCL準決勝があるが、モチベーションの高さを意地できれば全勝もあり得る。
一方のシティはまず今週末20日(土)にUCLで苦汁を飲まされたばかりの3位トッテナムを再度ホームに迎える。優勝するためにも、絶対に負けられない1戦だ。さらに25日(木)未明には、アウェイでのマンチェスター・ダービー。UCLでは敗退した同士だが、ユナイテッドは来季のUCL出場権もかかっており、シティにとっては厳しい闘いが続く。しかし残り試合が多いため、全勝すれば文句なしの連覇。FAカップとの2冠の可能性は十分だ。よけいなことだが、もしUCL準々決勝でVARがなかったら、日程的にもかなり厳しくなっていた。