乗り鉄、撮り鉄、鉄子……世に鉄道好きを表す言葉は数あれど、各人各様に譲れないこだわりと、誰にも負けない愛情を持つことにかけては、男も女も、老いも若きも変わりはないだろう。全国から「都の西北」に集った若き鉄道愛好家たちも同様だ。早稲田大学鉄道研究会による鉄道愛に溢れたレポートの第1回は、2019年で発売から60周年を迎えた、あの有名玩具についてである。お楽しみいただきたい。
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この記事をお読みの方も、プラレールで一度は遊んだことがあるだろう。最近、プラレールで山手線を一周再現したとか、壮大なレイアウトを作ったとかいうニュースを見たことはないだろうか。今やプラレールは、子どもから大人にまで幅広く支持される玩具となった。プラレールが誕生から60周年を迎え、時代は令和に向かおうとしている今、かつて発売されてきたプラレールの面白い商品や貴重な商品を、学生の目線でお伝えしたい。以下、あくまでも筆者の主観であることをお許し願いたい。
プラレールは60年前の1959年(昭和34年)に登場した商品であり、当時は手動だった。プラレールの曲線レールは「ちゃぶ台で走らせることができるサイズ」で設計されたといわれている。何とも時代を感じさせる話だが、プラレールのレールの規格は60年前から一度も変わっていない。祖父らの代から(20歳前後の)筆者らの代まで、同じレールで遊べるのだ。今回は過去に発売されたプラレールの中で、筆者が思う、「リアルな車両部門」「すごいギミックのプラレール部門」に分けてお話したいと思う。
◆リアルな車両部門
60年間、様々なプラレール車両が生産されてきたわけだが、その中には、ほかの車両の金型を流用している車両や、装飾がシールで行われた車両もある。その一方でそれらと一線を画す、出来がかなり良かった車両もある。その中で筆者が思う、出来がトップクラスに良かった車両を挙げていく。
【1】103系(2005年ごろ)
103系は国鉄時代を代表する車両で、中央線、山手線、京浜東北線、総武線、常磐線、大阪環状線、奈良線などの車両が存在した。関西では現在も走っているところがある。プラレールで販売された103系は、マニアに人気だった「○○線スペシャルセット」に含まれていたものが主である。前面から側面にかけてのモールド(金型で再現された形)がリアルであり、側面にも方向幕(行き先などを表示する装置)が再現してある。鉄道模型にも勝るとも劣らない出来だと思う。
プラレールの103系には低運転台、高運転台の両方があるが、どちらもすばらしい出来である。過去にはスペシャルセットのほか、プラレールショップ限定で大阪環状線の103系が販売されていたが、現在では販売は終了していて、手に入れることができないのが残念だ。ぜひとも再生産を希望したい。