フランスのリゾートをイメージするホテルとして人気の「葉山ホテル音羽の森」。正確には横須賀市となるがほぼ葉山町との境界に位置する。オーシャンビューのカフェテラスの雰囲気は最高だ。
鎌倉方面に進むと葉山マリーナの辺りにかけてラグジュアリー感ある施設が点在する。鎌倉になるとルート134沿いの「鎌倉パークホテル」や「鎌倉プリンスホテル」など一定規模のホテルはあるが、中心部ではホステル等の簡易宿所はあるもののホテルをみかけない。
鎌倉市では1966年に制定された「古都保存法」により、宿泊施設を開業できない区域が多い。詳述は避けるが高名な観光地ながら宿泊施設が不足している。
そのため、特にラグジュアリーな宿泊施設の関連としては話題に乏しいエリアだったが、2019年1月に開業した「鎌倉古今(かまくらここん)」はいま注目されている施設だ。安政2年に建てられた古民家をリノベーションしたホテルで、客室は88平方メートル/82平方メートルのスイート仕様2室のみ。民泊新法施行により“民泊”として開業が実現したという。
民泊といえば低料金のチープな施設をイメージするが、古民家にしてスタイリッシュ、最先端技術も導入しているのは驚きだ。『Restaurant COCON』も高級感溢れるダイニングだ。客室は2室しかないので宿泊客はもちろんのこと、外来のゲストを主たるターゲットにする。
カウンター越しのシェフの一挙手一投足に見とれてしまうが、夕食から朝食にまで旬のご当地食材ふんだんに用い、鎌倉の奥深さを知ることができる。中心部から少し離れただけで、自然豊かな静寂に包まれた古民家ラグジュアリーステイが楽しめる。