ところが、高い軽自動車もそれはそれで独特の価値を広く認められている。代表格は軽、普通車を合わせた国内市場での販売台数で圧倒的ナンバーワンのホンダ「N BOX」。現行モデルが登場したのは2017年だが、ボディの接合に溶接だけではなく接着剤を使うなど、最新の工法を多用して作られているのが特徴で、乗り心地の滑らかさは驚異的ですらある。
ホンダは今年、デイズと同クラスの「N WGN(ワゴン)」をフルモデルチェンジする計画だが、クルマの基本部分はN BOXと共有であるため、現行モデルから長足の進歩を遂げることは確実であろう。
軽自動車の雄であるスズキは昨年、軽SUV「ジムニー」のフルモデルチェンジで話題をさらったが、一方でN BOXと同クラスの「スペーシア」がじわじわと販売台数を伸ばしている。2013年にデビューした初代はN BOX、ダイハツ「タント」の影に隠れた存在だったが、2017年末に現行モデルに切り替わってからブレイク。商品性が高いうえに価格も安く、ホンダ系ディーラーでも競合を一番警戒する相手となっている。