国際情報

北朝鮮ミサイル発射でトランプが用いた「情報フレーミング」

今回は初めから笑顔がなかった米朝首脳会談(AFP=時事)

物別れに終わった2回目の米朝首脳会談(AFP=時事)

 臨床心理士・経営心理コンサルタントの岡村美奈さんが、気になったニュースや著名人をピックアップ。心理士の視点から、今起きている出来事の背景や人々を心理的に分析する。今回は、ミサイル発射で緊張が高まっている米朝関係を分析。

 * * *
 どちらの堪忍袋の緒が先に切れるのか? 米国と北朝鮮を巡る報道を見ていると、双方いつ我慢の限界に達してしまうのかと怖くなる。

 北朝鮮が4日に続いて、9日にも短距離ミサイルと推定される飛翔体を発射した。中国もロシアも頼りにならず、経済制裁に苦しんでいるといわれる金正恩・朝鮮労働党委員長は、危機感を煽っている。これに対してトランプ米大統領は、飛翔体を短距離ミサイルとして、「非常に重大な問題とみており、誰も喜ばしいとは思っていない」と不快感を示した。

 不快に感じて当然だろう。昨年6月の歴史的な米朝会談の2か月前、金委員長はミサイル発射と核実験中止を表明。トランプ氏は「北朝鮮と世界にとって、とても良い知らせだ。すいごい進展だ」とツイートした。今年2月に行われた2回目の米朝首脳会談が決裂したといっても、ミサイルや核実験停止を継続すると約束し、現に発射や実験がなかったことが、トランプ大統領にとっての外交的成功でもあったのだから。

 1度目に飛翔体を打ち上げた時、トランプ大統領は「金委員長は、私との(核廃棄の)約束を破りたくない」とツイートし、冷静に反応。だが、立て続けの発射となるとそうはいかなかったようだ。加えて、米国の国防総省は、この飛翔体を複数の弾道ミサイルと断定した。こうなると話は別。国連の北朝鮮制裁決議に違反するため、トランプ大統領も何らかの対応を迫られる可能性が出てくる。

関連キーワード

関連記事

トピックス

中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
X子さんフジ退社後に「ひと段落ついた感じかな」…調査報告書から見えた中居正広氏の態度《見舞金の贈与税を心配、メッセージを「見たら削除して」と要請》
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレが関東で初めてファンミーティングを開催(Instagramより)
《新メンバーの名前なし》ロコ・ソラーレ4人、初の関東ファンミーティング開催に自身も参加する代表理事・本橋麻里の「思惑」 チケットは5分で完売
NEWSポストセブン
中居氏による性暴力でフジテレビの企業体質も問われることになった(右・時事通信)
《先輩女性アナ・F氏に同情の声》「名誉回復してあげないと可哀想ではない?」アナウンス室部長として奔走 “一管理職の職責を超える\"心労も
NEWSポストセブン
濱田淑恵容疑者の様々な犯罪が明るみに
【女占い師が逮捕】どうやって信者を支配したのか、明らかになった手口 信者のLINEに起きた異変「いつからか本人とは思えない文面になっていた」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
「スイートルームの会」は“業務” 中居正広氏の性暴力を「プライベートの問題」としたフジ幹部を一蹴した“判断基準”とは《ポイントは経費精算、権力格差、A氏の発言…他》
NEWSポストセブン
大手寿司チェーン「くら寿司」で迷惑行為となる画像がXで拡散された(時事通信フォト)
《善悪わからんくなる》「くら寿司」で“避妊具が皿の戻し口に…”の迷惑行為、Xで拡散 くら寿司広報担当は「対応を検討中」
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”4週連続欠場の川崎春花、悩ましい復帰タイミング もし「今年全休」でも「3年シード」で来季からツアー復帰可能
NEWSポストセブン
騒動があった焼肉きんぐ(同社HPより)
《食品レーンの横でゲロゲロ…》焼肉きんぐ広報部が回答「テーブルで30分嘔吐し続ける客を移動できなかった事情」と「レーン上の注文品に飛沫が飛んだ可能性への見解」
NEWSポストセブン
佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ
「スイートルームで約38万円」「すし代で1万5235円」フジテレビ編成幹部の“経費精算”で判明した中居正広氏とX子さんの「業務上の関係」 
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン