新年度になり新しい人間関係ができ、LINEでつながったという人は多いはずだ。たとえば新入学や進級にあわせて子供が同級生の保護者同士がつながる「保護者LINE」がある。LINEは通常、家族や友達、仕事や趣味など、お互いの目的や気心が知れた間柄でつながるものだが、「保護者LINE」は、そのどれでもない人とつながるため揉め事が起きやすい。SNSのルールやマナーに詳しいITジャーナリストの高橋暁子さんが、「保護者LINE」におけるトラブルと対処法について解説する。
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ある主婦は、下の子供がまだ小さい状態で、上の子の幼稚園の保護者LINEにつながった。ある日、保護者グループのボスママが、「◯◯さんはLINEの返事が遅いし、来たくないだろうから食事会に呼ぶのはやめよう」と言っているのを聞いてしまったという。自分も呼ばれなくなると思うと怖くなり、下の子が泣いていても「ちょっと待ってて! 大事な用事だから」と子どもを待たせて返信をする、LINE中心の生活を送っているという。
また別の主婦は、ある少人数の保護者LINEグループでやり取りをしている時、うっかり流れでその場に参加していない別の主婦の悪口と受け取れる軽口を書いてしまった。その書き込みのキャプチャを撮られ、画像を当人に回されてしまい、クラスを巻き込んだ険悪なトラブルに発展してしまったそうだ。
このように「保護者LINE」つながりやグループでは、メッセージのやり取りから険悪な関係になったり、グループから外されてしまったりなどのトラブルが後を絶たない。2015年には、栃木県の小学校でママ友二人が相次いで自殺する事件が起きたが、それは子供のいじめ問題をめぐって保護者同士のLINEで起きたトラブルが大きな原因のひとつだったと言われている。
◆トラブルにつながりやすい「保護者LINE」
そもそも「保護者LINE」には、問題が起きやすい条件がそろっている。
通常、LINEでは親しい相手同士がつながるものだが、子どもが同じクラスにいるなどの理由で、普通なら交流しないような相手ともつながらなければならない。しかも子どものために交流しなければいけないという、自分の都合で切ることができない気を使う関係でもある。