美容整形外科「高須クリニック」の高須克弥院長が世の中の様々な話題に、思いのままに提言をしていくシリーズ企画「かっちゃんに訊け!!」。今回は、香港で起きた逃亡犯条例改正反対デモについてお話をうかがいました。
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──刑事事件の容疑者を中国に移送できるようにする逃亡犯条例改正案に反対するデモが香港で発生。200万人規模となり、香港政府は法案の審議を延期することとなりました。
高須:正しい形の市民運動といった印象だね。中国共産党支配の崩壊が始まるんじゃないかと思っているよ。
──中国は一国二制度という形で中国政府と香港政府があるわけですが、今回のデモでは香港に対する影響力を強めようとする中国政府に対し、香港市民はNOを突きつけました。
高須:そもそも一国二制度という形に矛盾があるとは思うんだけど、それでも一応中国は香港の自治を認めたうえで、イギリスから返還してもらっている。それなのに、中国はちょっとずつ香港の民主主義を潰そうとしている。単純に約束を破っているだけだよね。イギリスは「約束と違うじゃないか!」って怒ってもいいと思う。「やっぱり香港はイギリスのものだから返せ!」ってね。喜んで受け入れる香港市民も少なくないんじゃないかな。
結局のところ、中国共産党がいかに人権を無視した政府であるかということなんだよ。新疆ウイグル自治区では、中国政府がウイグル人を大量に強制収容して、拷問し、無理矢理に中国化しようとしている。信じられないほどの人権侵害だ。香港の市民たちもウイグル人たちのように弾圧されるかもしれないと感じているんだろう。そうならないためにデモが起きて、早い段階で弾圧の芽を摘み取ったのはとても大きいことだよ。
──今回のデモでは、市民側にリーダーらしき存在がなかったからこそ成功したともいわれています。
高須:たしかにそうなんだろうね。デモを主導するリーダー組織があれば、政府はそことの交渉次第でデモを抑えることができる。ただ、主導する明確なグループがない状態であれば、誰と交渉していいかもわからない。そういったデモを制圧するなら、皆殺ししかない。香港政府はもちろん、中国政府にしたって、ネットも普及している今の時代にそんなリスクは負えないよ。今回のデモで、中国における反政府運動の流れが変わるかもしれないな。
──日本でもデモが行われますが、今回の香港のデモと比較して何か思うことはありましたか?