まだまだ衰えをみせないタピオカブーム。夏休み期間に入ったこともあり、人気店にはいまだ行列が絶えない状況が続いている。若者を中心に『映える(=インスタ映えする)』と話題のタピオカだが、ブームの影響は思わぬところにも出ているという。文系大学生のレポートテーマに「タピオカ」が頻出しているというのだ。
都内の大学で情報社会論系の授業を担当している男性教員A氏(40代)は、前期の学期末レポートを採点していて驚きを隠せなかったという。その理由は、テーマに「タピオカ」を選んだ学生があまりにも多かったからだという。
「私の講義には、300人超の受講学生がいますが、そのなかで20名以上が『タピオカブーム』をテーマにレポートを書いてきました。情報学に関する講義で、テーマについては自由に書くようにと設定したのですが、女子学生だけでなく男子学生もテーマに選んでいましたね。
なかには興味深い、しっかりと分析したレポートもありました。たとえば、タピオカは過去にブームが過ぎ去った飲料であることを『漠然としたオシャレ』『インスタ映えする最先端の飲み物』という“空気”が隠蔽している。その空気の支配によって、誰もが『オシャレ』だということを否定しづらくなったのではないか?──と分析するレポートは、面白く読みましたね」(A氏)
別の大学で社会心理学を担当しているという女性教員B氏(30代)に話を聞いても、「タピ活」や「タピオカブーム」について考察するレポートを提出した学生は多くいたという。
「私の担当する講義では『タピオカブーム』という社会現象を同調圧力の概念を使って考察した1年生がいました。ブーム自体が周囲への同調行動であるというだけでなく、プラスチックゴミの放置についても『みんな捨てているから自分も捨てていい』と罪悪感が免除される、と論じていました。自分たちに身近な問題なのでレポートの題材にしやすいというのがあるのでしょう。興味を持って調べるという主体性が大切なので、良い傾向だと思います」(B氏)