日本映像ソフト協会によれば、レンタル市場は2007年の3604億円から2018年には1542億円と、6割近く縮小。TSUTAYAやGEOといった大手レンタルチェーンも苦戦が続いている。
「全国に約1400店舗を展開するTSUTAYAですが2017年には70店舗以上が閉店となりました。GEOも同様で、店舗数自体は中古品専門店などの好調を受けて増えていますが、レンタル店は減少しています」(ITジャーナリストの小山哲太郎氏)
レンタルビデオ店が苦境に立たされている最大の原因は、高速のインターネット回線が一般家庭にも広く行き渡り、ネットで配信される動画を快適に視聴できるようになったことだ。
「NetflixやHulu、Amazonプライム・ビデオなど映像配信会社のコンテンツが充実し、しかも定額で見放題のサービスも広がっている。アダルトコンテンツでいえば違法な無料動画サイトを利用するユーザーが増えた。消費者はわざわざDVDを借りに行って、また返却しに行くような手間のかかることをしなくなっている」(同前)
そうした“ネットアダルト動画全盛”の時代に突入するなか、既存のレンタルビデオ店が反転攻勢に打って出ようとしている。TSUTAYAが運営する動画配信サービス「TSUTAYA R18」では、月額1000円(税込。以下同)で4000タイトルのアダルト作品の定額見放題サービスを行なっている。より多くの作品を楽しみたい人向けに、7万本以上を視聴できる「月額見放題フル」(月額2571円)もある。月額980円で見放題のGEOの動画配信サービス「ゲオTV」でも、約2万5000本の見放題動画のうち、アダルト作品が2万3000本を占めている。
企画内容や作品のラインアップに加えて、慣れ親しんだ「実店舗を構える企業」が運営していることによる安心感もあるようだ。
「無料動画サイトみたいに、再生をクリックしたら変な宣伝ページに飛ばされたりとか、間違ってバナー広告をクリックしてしまう心配がないから安心して見られる」(60代男性)