モノマネという芸が番組出演の鍵を握るようになった反面、モノマネを武器にする芸人は中堅からベテランまで層が厚く、すでに飽和状態。加えて、前述した中堅以下の芸人たちがモノマネに参入しているほか、ネットで発信する芸能人・一般人のモノマネ巧者も増えました。さらに、アイドルや俳優もバラエティ出演時の芸としてモノマネを練習するなど、競争が熾烈になっているのです。
ただ、それほど競争が熾烈でも、9月6日の『爆笑そっくりものまね紅白歌合戦スペシャル』(フジテレビ系)の「顔だけそっくりさん No.1決定戦」に橋本環奈さんのモノマネで出演した泉クリスさんがネット上で大きな話題となったほか、11日の情報番組『ノンストップ』(フジテレビ系)で特集を組まれるなど、やはり大きなチャンスがあるのは間違いありません。
とりわけ大型モノマネ特番のあるフジテレビと日本テレビは、「新たなモノマネ芸人を発掘して、バラエティに起用しよう」という狙いがあるだけに、芸人たちにとっても出演のチャンスは大きいのです。
今後は、芸の凄さや競技性を感じさせる大型モノマネ特番、レギュラー放送のバラエティ、さらに情報番組なども含め、さまざまな番組でモノマネ芸人の活躍がますます増えるでしょう。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。