■「言うほどブスじゃない」「本当のブスに失礼だ」と言われて思ったこと
──30歳までに結婚、という目標を立て、実際に結婚・出産されました。昨今の晩婚化は、田村さんの目にどう映りますか?
田村:私自身は、結婚すること・出産することが当たり前だと思っていません。個人の選択ですから。ただ、ビジネススクールに通っていたとき、MBAを取ったら「結婚して子どもを産みたい」と言う30代半ば過ぎくらいの女性がけっこういて、ちょっと驚きました。それだったら、出産が先じゃない? と。もちろん、40歳を超えて妊娠・出産する人はいますが、確率的には、難しくなりますよね。子どもが欲しいなら、MBAより婚活だろうと私は思うんです。
大企業でバリバリ働き、MBAを取りに来ているような優秀な人たちが、優先順位とか、確立的なことを検討にいれないのは不思議でした。まあ、大企業に勤めていない私にはわからないキャリアの悩みがあるのかもしれません。また、「結婚・妊娠したい」と口で言っているだけで、本当はキャリアアップのことだけを考えているのかもしれませんが。
──確率はゼロではないから、自分は大丈夫、と思ってしまうのではないでしょうか。
田村:自信があるんだなあと思いますし、それは幸せなことだと思います。「ブス」という自己認識が根底にある私は、注意深く、用心深く生きてきましたから。妊娠に関しても、メディアで高齢出産の方を取り上げられることがありますが、一つの事例としか思ったことはありません。
──とはいえ、ブスを自認する田村さんに卑屈さは感じられません。それはなぜでしょうか?
田村:能天気だからでしょうね(笑)。あと、合コンでは傾聴が大事とか、自分を出さないとか、一見、自分を押し殺しているようなことを本には書いていますが、生理的な嫌悪感は大事にしていました。男の人が大好きな私でも、生理的に無理な人には行かないようにしていた。そこは自分の心の声に従っていたんです。
相手を笑わせたい、いい気持ちにさせたいとは思うけど、やっぱり笑われたくはないんです。でも、そのためには、ありのままの自分では誰も認めてくれないので、武器が必要になりますね。