パート先では「なんで売り切れなのよ!」、クタクタで帰れば「嫁のくせに、こんな時間まで出歩いて!」。けんかはしたくないけれど、黙って耐えるのも悔しい…。世の中にあふれる理不尽なクレームにどう対処すればいいのだろうか? 公務員として1日200件近いクレーム処理をしているうちに「いつしか元クレーマーによるファンクラブができていた」という経験をもとに、のべ8000人以上にクレーム対応を指導している、山下由美さんが最強のクレーム対処法を伝授する。
◆「超共感法」でクレーム脳をクールダウン
山下さんが編み出したのは、どんなタイプのクレーマーにも通用する「超共感法」だ。怒りを落ち着かせ、相手の“ゴール”を明らかにする。
「超共感法の目的は、相手に『そうなんです』と言わせること。ビジネスの世界でも使われている手法です。クレームを言っている時の脳は興奮状態で、こちらの言うことをすべて否定しようとしています。
しかし、肯定の言葉を言わせると、脳は自分の発した言葉に影響され、少しずつ落ち着いていきます」
クレーム対応のマニュアルに多い「常に笑顔で冷静に話す」というのは、「私は怒っているのに、ヘラヘラしないで!」と、火に油をそそぐ。
超共感法なら、怒りでわれを忘れているクレーマーにこそ効果を発揮できるという。