体当たり取材でおなじみの『女性セブン』のアラ還名物記者“オバ記者”こと野原広子(62才)が、世間で話題になっている出来事に、ゆるくツッコミを入れる。今回のテーマは、神戸の小学校で起きた教員によるいじめ事件だ。
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「もはや“いじめ”ではなく犯罪。加害者の顔をさらせ」
インターネットの書き込みで炎上しているのは、ご存じ、神戸市立東須磨小学校の40代の“女帝”教員と、30代男性教員3人。彼らが、20代の教員にひどいいじめを働いたと、大騒ぎになっている。
地元紙等の報道によれば、事が表沙汰になった10月以降、4人の加害教員は神戸市教育委員会の指導もあって、学校を休んでいるという。彼らが揃って身を隠したことも、仁王美貴校長(55才)が記者会見を開き、涙ながらに「隠蔽はしていない」と発言したことも、今回すべて裏目に出た。
まあ、今日び、表沙汰にする人は、写真や録音した音声などの動かぬ証拠を持っているからね。事件になったら事実を認め、ひたすら謝る。これしかないと思う。管理責任者も同様。チラリとでも言い訳めいたことを言ったり、嘘くさい弁明をするや火に油、かえって大きな大きな墓穴を掘ることになる。
それにしても、ベテラン教員が面白がって若い教員をいじめるなんてもってのほか。その幼稚さには呆れるしかないけれど、「彼女とよく似た人はどこの世界にもいるよね」と、あっさり言った人がいる。
つい最近、大きな倉庫で3日間だけ封入れのアルバイトをした。そこで仲よくなった庄野真代に似た50代のNさんだ。
その日の午前中、段ボール箱の作り方が雑だと怒られたばかりの私は、体から“テキパキ”と音がしていそうな彼女に仕事のコツを聞き出そうと、お昼に食堂で椅子を近づけたわけ。
惜しげもなく、教えてくれた彼女はその後で、「ここはまだいいのよ」と言う。聞けば、女帝を女帝たらしめている背景はそれぞれ違うけど、そうした輩には、ある共通点があるのだという。
「そいつらはみんな、職場の弱みを握っているのよ。たとえば人集めに困っている職場なら、彼女の一声で集まる子分が何人かいる、とか。上に弱い人が現場責任者なら、さも会社の役員に通じているみたいなことを言いふらして遠慮する空気ができあがる、とか」
そういえば、私の知り合いが勤めていた会社には、「お菓子番長」という50代の女帝がいた。何があっても会社に届いた茶菓子は彼女が最初に封を開けるんだって。高卒で入社して三十余年の間に彼女がつくった特権だから誰も何も言えない。
彼女に気に入られないと、当たり前のようにお菓子の配給から外される。
「1日2日ならいいけど、続くとけっこうこたえてね。いつの間にか彼女の機嫌をとるようになるのよ」と、何度かやられた知人は嘆いていた。
そのうち、家族旅行に行ったら、彼女にだけ特別なおみやげを買ってくるのが当たり前になって、
「みんな、なんで?と思っているけど、にらまれたくないからやっとけって」
…なるほど、そうして社内や職場に“カースト”ができあがっていくわけね。