Bさんの息子は、今では近所でも評判の明るくて優しいお兄ちゃん。隣人は「よく泣く子だと知っていたから、気にしたことはない。子供の泣き声が嫌いな人が通報したのでは」と話す。
幼稚園や保育者向けセミナーなどを運営する「りんごの木」代表の保育者・柴田愛子さんは、「わがままで自己主張の強い子ほど、10才くらいになると、人の気持ちがわかる優しい子に育つ」と語る。
「わがままを言うということは、自分の気持ちをよくわかっているということ。小さいうちは誰もが“自己中心”なので、しっかりわがままを言えるようになって初めて、他人の気持ちを推し量ることを学べるのです」
分別のつかない幼少期に“わかれ”と言う方が無理ということだ。
一方、大分県のCさん夫婦は、「たとえ子供がわがままを言っても、ほとんど叱ったことがない」と話す。
「子供がわがままを言った時は、厳しく叱ることよりも、冷静に諭すことの方が多い。できるだけ怒鳴らず、『それはダメなんだよ』とだけ伝えて静観します。小さいうちは難しいかもしれませんが、“なぜ思い通りにならないのか”を自分で考えるきっかけになればと思う」(Cさん)
※女性セブン2020年1月1日号