結婚の「分岐点」をレポートするシリーズ。今回は、婚活中の多恵子(たえこ)、38歳の場合。婚活アプリで42歳の男性と出会ったが、「清潔感」の相違が破局への引き金となった。寒い冬は鍋の季節。共に鍋をつつけない相手との恋愛は可能か?
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◆メッセージをくれるのは50代以上ばかりの中で
都内の企業に法務系の専門職として勤務する多恵子さん、38歳。自宅に暮らし、堅実な生活を送る一方で、趣味は旅とグルメ。休みが取りやすい職場のため、国内外、年に10回以上、旅行に行く。一人旅も好きだが、そろそろ一緒に行くパートナーをという気持ちが募り、婚活サイトに登録した。
「アラフォーは難しいですね。年上がイヤというわけではないのですが、やっぱり同年代のほうが話が合うかなと思うんです。でも、メッセージをくれるのは50代以上ばかり。そんなときに、彼からメッセージをもらい、あ、若い、新鮮だなと」
それが、フリーランスでITエンジニアとして働く幸也(ゆきや)さん、42歳だった。組織は性に合わず、フリーランスという働き方を選んでいる点も、長年会社勤めをしてきた多恵子さんには新鮮に映ったという。趣味に関して言えば、くいしんぼうではあるものの、旅行については人並み程度。だが、一般的なサラリーマンに比べて平日に休みが取りやすいと知り、この人となら一緒にいろんなところに行けるかもしれないと、多恵子さんは好意的に捉えた。
1ヶ月ほどメールのやりとりを重ね、最初に会った時の印象は、「似たもの同士」だった。
「よく言えばおおらかで、悪く言えばズボラな感じ。見た目はまあ普通なんだけど、着てるものは、全然オシャレじゃなかったし。仕事は好きで真面目そうだけど、そのほかはあまり深く考えず、自由に生きてきたっていうタイプに見えました。私も自由に生きてきたところがあるから、大きな目で見ると、似たもの同士かなと思ったんです」
食べることが好きな二人は、仕事帰りに飲みに行くようになった。幸也さんはグルメサイトや雑誌に紹介された店をこまめにチェックし、「今度、ココに行こうよ」と、多恵子さんにラインをしてくれる。予約を入れるのも幸也さん。何度かデートを重ね、二人は付き合うことになった。40歳を前に結婚したいと考えていた多恵子さんにとって、願ってもない展開だった。