1月17日にはセブンズ転向が正式決定した福岡らが追加メンバーとして招集されたが、五輪挑戦にも意欲を見せてきた松島幸太朗らW杯で活躍してトップリーグに出場している日本代表は選ばれていない。

 どのようなメンバーで五輪代表を組むのがよいのか。15人制の日本代表30キャップで、7人制日本代表のキャプテンを務めた経験もある大八木淳史氏はこういう。

「たしかに、15人制と7人制は全く別の競技です。昨年のラグビーW杯ではヒット、モール、ジャッカルなどをカメラが寄りで映し出すシーンが日本の視聴者にウケたが、7人制ではそういうシーンがない。15人制を熟知したファンなら、7人制のパスやステップの技術を楽しめるが、W杯での15人制のように感動を呼ぶかといえばクエスチョンですね」

 その上で、大八木氏は「五輪は福岡(堅樹)や松島(幸太郎)を出場させたほうがいい」と提言する。

「強豪国では7人制と15人制を代表選手が兼任することはないが、日本は7人制の選手層が薄い。(現在の候補メンバーを見ると)7人制選任の選手たちの出場機会を失わせたくないということでしょうが、7人制は人数が少ないのでユニットやセットプレーなど複雑で細かいことはできない。(福岡や松島が入っても)十分に通用すると思いますよ。持久力も必要ですが、とにかくスピード。ヒットするようなパワーは必要ない。パスを回して、穴が空いたら突っ込んでいく。7人制では個々のタックルやパス、ランニング能力が求められるため、福岡や松島のスピード、そして経験が生かせる。

 その上でさらに、人気面での効果が期待できるわけです。今の日本ラグビーは“にわかファン”に支えられているので、福岡や松島が出たほうが間違いなく盛り上がる。五輪を通じて、“にわかファン”に定着してもらうための方策を練ってほしいですね」

 代表メンバー選考は、いよいよ大詰めを迎えている。

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