国内店舗数はいまやユニクロを超えるワークマン

作業着は商品サイクルが長い

 作業服業界のもう一つの大きな特徴として、モデルチェンジまでのサイクルが数年単位で長いことが挙げられます。

 通常のカジュアル服・ファッション服は毎シーズン、モデルチェンジされます。それは移ろいやすい「トレンド」を追いかけているためです。しかし、考えてみてください。制服はシーズンごとにモデルチェンジしていますか? 作業服には、そこまで素早いトレンド対応は必要ありません。

 ですから、制服も含めたユニフォーム業界は早くても2~3年、長ければ5~10年くらいモデルチェンジしませんし、する必要がないのです。もちろん、ワークマンもこのサイクルに沿って新モデルを投入しています。

 これはすでに多くのメディアで報道されていますが、ワークマンは本体もワークマンプラスも同じ商品が並んでおり、モデルチェンジのタイミングは最低でも3年前後あります。この長いモデルチェンジまでのスパンが果たして今後、一般消費者に受け入れられ続けるのか疑問です。

 もっとも、いまは「ワークマンプラスの商品を初めて見た」という消費者もまだ多く、いわば“オープン(開店)景気”の新規性があります。店舗数も69店舗と多くないため、物珍しさも購入動機につながっている状態です。

 そうした消費者にとって、ワークマンの商品が何年前にモデルチェンジされていようが新鮮に映るわけですが、今後2回、3回と訪れてリピーターになっていくと、「いつまでも代わり映えしない店」とのイメージを持たれかねません。確かに世の中には「この先もずっと定番商品がほしい」と思っている層は一定数いますが、大多数ではありません。マスに売るためには新鮮さも必要になります。

 ワークマンプラスの規模がさらに拡大し、一般客の売り上げ構成が高くなればなるほど「新鮮さ」が求められることになります。そして、早晩、ワークマンプラス用の商品作りをせざるを得なくなり、最低でも年に1度はモデルチェンジすることが求められることにもなるでしょう。そうした需要にどこまで応えることができるかは今後の課題といえます。

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