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「日本は甘すぎる」新型肺炎対策に米軍関係者が苦言

米軍関係者が指摘する日本の新型肺炎対応の甘さ(時事通信フォト)

 警察や軍関係の内部事情に詳しい人物、通称・ブラックテリア氏が、関係者の証言から得た警官の日常や刑事の捜査活動などにおける驚くべき真実を明かすシリーズ。今回は新型肺炎への日本の対応に、米軍関係者が苦言を呈する。

 * * *
 新型コロナウイルスが蔓延する湖北省武漢から政府チャーター機で人々が帰国する中、政府の対応のまずさがあらわになっている。検査を拒否した帰国者を帰宅させてしまい、用意した施設は個室が足りず、相部屋になった人の中から感染者が出てしまった。

「あの対応は隔離の定義から外れている。隔離は個々別々が基本中の基本。日本の政府も行政も隔離の定義が甘すぎる」

 感染対策などに詳しい米軍関係者は厳しい一言を発した。批判されるのも無理はない。米国も政府チャーター機で武漢から自国民を帰国させたが、その対応は日本とかなり異なっている。

 チャーター機は貨物機という報道があったが、使われたのは米軍が平時から契約している民間の旅客機だという。米軍には「パトリオット・フライト」というシステムがあり、平時はいくつかのルートで本国と各国にある米軍基地との間をチャーター機が飛び、軍人やその家族、貨物などを運んでいる。日本国内にある米軍基地を南から嘉手納、岩国、横田、三沢と結び、シアトルへと帰るルートもある。このチャーター機なら飛ばすのに面倒はなく、費用も米軍機より安くすむ。

 チャーター機が到着したのはカリフォルニア州リバーサイド郡にあるマーチ空軍予備役基地だ。当初はカリフォルニア州アナハイムのオンタリオ国際空港に到着させる案が出たが、セキュリティーを考慮し軍の基地に着陸させたという。

「基地内の方がセキュリティーが高く、関係ない人間がウロウロすることはない。基地内なら他者との接触を遮断し、衛生面でも管理できる」

 途中、給油のためアラスカ州アンカレッジの空港を中継しているが、搭乗者はその都度、健康診断などを受けていたという。防護服を着用した人が彼らを出迎え、飛行機を降りた後はそのまま基地内にある収容施設に滞在している。

「基地内にいる軍人とは絶対に接触させない。軍人や軍関係者は一切ノータッチだ。そこはきっちりマニュアル化されている。対応するのはCDC(アメリカ疾病対策センター)。彼らがすべてをチェックする」

 日本では帰国時に検査を拒否した人がいると報じられた。人権などに配慮した結果、検査せず帰宅させたというが、米国ではこのような対処はあり得ないという。

「政府も行政もなっていない。米国は飛行機を降りた後、そのまま家に帰すことはない。体調が悪くても自己申告しないやつもいるからだ。アメリカは広いから、1回外に出してしまえば取り返しがつかなくなる。だから発症していない人でも最低2週間は隔離する。抵抗力が強い人も弱い人もいる。発症するかどうか見極めるには、それぐらいの期間が必要だ」

 日本では第1便帰国者に千葉県勝浦にあるホテルが用意されたが、収容施設を巡って地域や学校などで様々な差別が生じていると聞く。

「施設を提供したのはいいが、風評被害などその後はどうするのか。関係者のメンタル的な問題やPTSDの可能性もある。そういうリスクまで日本政府は考えたのかどうか」

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