実家が営むチーズ工房で作ったチーズは、火を通すと旨みが増すと評判。筆者も仕事の合間に、おやつとして食べる(写真提供/筆者)

 それでも、日本でも感染者が出始めた当初は、2009年の新型インフルエンザと同様、拡散と並行して薬が開発され、いずれ騒動も収まるだろう、と私は楽観的に考えていた。

 だが、北海道知事、さらには首相から休校要請が発表されて、はじめて私も『やばいな』と思い始めた。休校措置の是非についてではない。子どもたちとその家族を守るために必要なことであれば行うべきだと思う。ただ、酪農家の身内としてまず思ったのは、『やばい、牛乳が余るかもしれない』ということだった。

 私の実家がある北海道東部・別海町は、人口約一万五千人にして生乳生産量が日本一という酪農の地だ。ちなみに酪農だけでなく良港に恵まれ海の幸もたっぷりなので、特産品に関しては怖いものなしの町だったりもする。特に今時期は大ぶりのホタテがぷりぷりとして美味だ。刺身でもバター焼きでも、濃厚な甘みと旨味が口いっぱいに広がってそれはもう……いやそれは置いておいて。今回は羊飼いの話からちょっと脱線して、新型コロナウイルスが酪農に与える影響について、酪農家の娘として思うところを綴ってみたい。

◆給食用食材で牛乳が特別なワケ

 ご存じの通り、牛乳は牧場で子牛を分娩した乳牛から搾られる。その後すぐに専用のタンクローリーで冷却されたまま工場へと運ばれ、殺菌されて飲用乳に、または各種加工をされてチーズ・バター・脱脂粉乳・アイスクリームなどの乳製品になる。

 そして、飲用乳のうち、約一割は給食用の牛乳になっているのだ。約一割、されど約一割。これはけっして低い数字ではない。約一割の牛乳が、一般の小売ルートを経由せず子どもたちによって消費される前提で生産されている。これは生産者にとっても加工業者にとっても非常に安定した消費要素なのだ。

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