◆750億円をかけたTDL史上最大のプロジェクト
また、2020年4月15日にはTDL内のファンタジーランドを拡張した「ニューファンタジーランド」やディズニーホテルのオープンを予定していたが、コロナ感染の拡大で、5月中旬以降に延期した。こちらは2017年4月から約3年、750億円かけたTDL史上最大のプロジェクトだ。
「美女と野獣」をテーマにしたエリアには、ベルが住む村の入口にベルの父モーリスの家「モーリスのコテージ」(ファストパス発券所)、その先の村の中心にはガストンの噴水、ガストンの酒場をモチーフにしたレストランやショップなどが並び、映画の中に入り込んだような感覚を体験できる。
森の方へと進むと美女と野獣の城がそびえ立ち、その中のアトラクション「美女と野獣“魔法のものがたり”」は日本のオリジナル。映画で使われた名曲に合わせて踊るように動くライド(魔法のカップ)に乗り込み、音楽につつまれながら、ロマンティックなストーリーに沿った映画の名シーンをめぐる。
映画「美女と野獣」をテーマにしたエリアを抜けて、さらに森の奥へと進むと、TDL初となる本格的屋内シアター「ファンタジーランド・フォレストシアター」にたどり着く。ここではミッキーマウスをはじめとするディズニーのキャラクターたちがライブパフォーマンスを繰り広げるため、オープン前から注目度が高まっている。
◆再開後は「振り替え入園」が増える
オリエンタルランドは、TDLとTDSの入場料を2020年4月から値上げすると発表していた。消費増税に伴うチケット価格の改定を除けば、値上げは4年ぶり。大人の1日券を7500円から8200円に、中高生は6500円から6900円に引き上げる。小人は4900円を据え置く。
チケット価格を値上げしても同社は2021年3月期の入園者が過去最高(3255万人)を更新すると想定していた。これはコロナ・ショックで休園する前の想定だ。もちろん、今回の休園が長引けば入園者数は、それだけ減少することになる。
それでも、回復力は速いだろう。TDRが一時的に利用できなくなると、反動による“振り替え来園”が増える傾向にあることを、過去の事例が証明しているからだ。2019年10月の台風で週末に休園した際は、再開後の翌週は2日連続で入園制限がかかるほど人が押し寄せた。
投資家たちの視線は、新型コロナ後のOLCの成長再加速に向いている。