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近鉄パールス消滅の危機を救った関根潤三さんの打者転向

「最近でいえば、巨人のオーナーを務めた渡邉恒雄氏のような存在でした。その永田氏が様々な案を出すうちの1つに、1957年シーズンの最下位チームを合併させる案があった。2リーグ分裂と同時に誕生した新興球団である近鉄は前年までの7年間で、Aクラスは1度だけ。最下位を4度も記録しており、お荷物球団と揶揄されることもありました。近鉄を含め、Bクラス常連チームの尻に火がついたことは言うまでもありません」

 8球団制の前年、Bクラスは5位・近鉄、6位・東映、7位・大映、8位・高橋だった。Aクラスの4位・毎日と5位・近鉄は16ゲーム離れており、上位と下位の差は明らかだった。

「この年、30歳の関根さんは4月3日、開幕5戦目の西鉄戦に先発するも、5回途中でノックアウトされます。すると、芥田武夫監督に自ら打者転向を申し入れ、2試合後の阪急戦から5番・ライトで先発出場。いきなり猛打賞、翌日は2安打、翌々日にまた猛打賞と打ちまくり、シーズンを通して主に3番を任され、リーグ9位の打率2割8分4厘を残しました」

 今と比べて飛ばないボールが使用されていた当時、圧倒的に打者が不利だった。この年、3割バッターは6人しかおらず、野村克也が30本でホームラン王に。大下弘や中西太、豊田泰光らを擁した西鉄でさえ、132試合で94本塁打、チーム打率2割5分5厘だった。

 それに引き換え、『神様、仏様、稲尾様』と呼ばれた全盛期の稲尾和久が防御率1.37を記録したこともあり、西鉄のチーム防御率は2.15と驚異的な低さだった。7球団中5球団のチーム防御率が2点台という『投高打低』の時代だ。ちなみに、2019年のパ・リーグで防御率1位はソフトバンクの3.63であり、この数字は1957年の防御率最下位の大映と同じである。

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