ビルの2階を覗くと、女性2人がカウンターに入ったガールズバーだった。
「今日はお客さん多いんです。都内の人? この前も都内から飲みに来た人がいたんですよ」
そう元気に話す21歳の女性はマスクを着けていない。記者が「マスクなしで怖くないの?」と尋ねると「大丈夫でしょ」とはじけんばかりの笑顔。店は朝5時までやっており、5人の団体客が入ってきたので、早々に退店した。
駅前のチェーンの立ち飲み屋に入ると、“密”を避けるためか、椅子が用意されている。7割程度埋まった賑やかな店内で“事件”が起きたのは10時過ぎ。客の女性がトイレから出てこなくなったようだ。
ドア越しの呼びかけにも応答がなく緊迫した空気が流れたが、20分後に出てきた女性は「久しぶりだから、飲みすぎちゃった」と笑っていた。
自粛ムードが続けば、たまには飲みたくもなる。ただし、女性が出た後のトイレに入った店員は物々しい様子で感染予防の手袋をつけ、入念な消毒作業を行なっていた。
8時以降の飲酒スポットとしてひとときの宴を楽しむ街にも、新型コロナの影は迫っている。
※週刊ポスト2020年5月1日号