新型コロナウイルス感染防止のため、多くの学校が長期休校となり、子供たちも大きな不安を抱えていることだろう。そこで作家の佐藤優氏(60才)が、子供たちにメッセージを送る。
【プロフィール】さとう・まさる/東京生まれ。1985年、外務省に入省しロシアとの外交問題に注力するが、2002年に背任容疑などで東京地検特捜部に逮捕され、512日間勾留される。そのときの経験をまとめた『国家の罠』(新潮社)は大きな話題を呼んだ。
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アメリカのトランプ大統領は、記者に向かい、「私は戦時下の大統領です」(3月18日)と発言しました。フランスのマクロン大統領もテレビ演説で、「われわれは戦争状態にある」(3月17日)と訴えました。欧米の指導者の多くは、新型コロナウイルスとの戦いを「戦争」に喩えています。
しかし、第二次世界大戦中すらこんなことはありませんでした。
学童疎開はありましたが、みんな一緒の移動です。終戦直後の数か月は学校を閉校していましたが、家の外にまったく出られないわけではありません。学校にも行けず、友達にも会えない、というのは、未曾有のことなのです。
これだけ大きなことが起きたのだから、もはやこれからの世界は「変化」が当たり前になる。以前の元の世界に戻ることは、あり得ません。
現在の社会も安定とはほど遠く、何度も何度も大きな変化を迎えることでしょう。そのときに動揺しないためにも、「世界は変化し続ける」と思っていてほしい。
大きな危機に直面したとき、人はまずフリーズして、その後にいろいろ考えようと模索します。その方法は3つのパターンに分かれる。
1つめは、それでもいままでの考えを変えない人。
2つめは、権威に従ってしまう人。政府や専門家、識者の意見に従ってしまう人のことです。
3つめは、自分の頭で考える人。本当にこれでいいんだろうかと考えてみて、チャレンジし、ダメだったら軌道修正するという人です。