1つめと2つめの生き方は、楽でしょう。自分の頭を使う必要がないからです。
しかし、刻一刻と変化していく世界の中で1と2では、生き残れません。対応するには、トライ&エラーで立ち向かっていくしかない。
その都度、その都度、自分の頭で考え、行動する以外に術はないのです。
そのときに頼りになるのが、苦しい時代を生きた先人たちに学ぶこと。たとえば、ナチス・ドイツの占領下で2年間隠れ家で身を潜めていた『アンネの日記』など戦争を描いた本を読む。いまよりひどい状況があったこと、そういう状況でも人間は生き延びてきたことを知ってほしい。
そして、読んだ本の中で印象に残った文章があったら、ノートに書き写すことをすすめます。この方法は、ぼくがかつて逮捕され、512日勾留されていたときにやっていた方法です。文章を写すだけですが、これがすごく重要。手からテキストが体に入ってくる。この勾留期間を経て、部屋にこもっていても手を動かし、深く考えれば外に出ることと同じかそれ以上のものを得られることがわかったのです。
※女性セブン2020年6月4日号