さらに、通例であれば就職に強い、資格が取得できる医療系の人気も高まるだろう。人材が不足しがちで、国家資格と結びついて人気は高い。しかし、新型コロナウィルスの猛威により、医療従事者への院内感染が多数報告されたため、医療系への志望に二の足を踏む受験生が出てくることも予測される。医療系の動向は、まだまだ不透明だ。
また、現在、留学や海外研修にも行けない学生が多い中、グローバル系学部の人気低下も予測されるため、逆に受験では狙い目になる可能性が高い。
いずれにせよ、大学入試改革とコロナのダブルショックで混乱必至の来年入試。文部科学省は6月中に「大学入学者選抜実施要項」を示す方針だが、今のところ学校推薦型選抜、総合型選抜の日程が後ろ倒しになりそうで、試験にオンラインを活用する可能性もある。
一般選抜でも、模擬試験が実施されておらず、「自分の偏差値が分からない」「志望校の合格可能性が分からない」「志望校の情報が不足している」といった受験生の不安が広がっている。不確定要素の多い来年入試だが、こういう時こそ様々な状況変化に惑わされず、「本当に入りたい大学・学部選び」を心掛けてほしいものだ。
●文/安田賢治(大学通信常務取締役)