韓国に最も近い位置にある国境の島・長崎県対馬。年間40万人以上の韓国人観光客が訪れていたこの島では、今年4月以降、訪日客はゼロとなり(対馬市観光商工課の調査より)、彼らを目当てに営業していた飲食店や土産物店の閉店が相次いでいる。
コロナ禍によって人の流れは途絶えたが、代わりに韓国から“流入”しているものがある。廃棄マスクだ。
対馬の南西部・修理田(しゅりた)浜を歩いてみると、大量のがれきやペットボトル、タンクなどのゴミに混ざり、使用済みとおぼしきマスクが何枚も打ち上げられていた。表面にハングルで印字されているものが目立つ。
周囲に散乱する注射器や薬瓶、消毒液のボトルにもハングルが記載されており、医療廃棄物がまとめて流れ着いているようだ。沿岸部に住む島民はこう話す。
「ゴミは以前から大量に流れ着いていて問題になっていたのですが、マスクは5月くらいから大幅に増えました。さすがに不安で触りたくないですし、どう処理するんでしょうか……」
対馬では例年海水浴シーズンを前にゴミの回収イベントを行なっているが、今年の実施は未定だという。
そして今日もまた、浜辺には漂流マスクが続々と押し寄せている。