◆韓国は北朝鮮へ経済支援を行うことになる
以上に列挙した「事件」を北朝鮮軍は今後も繰り返す可能性が高い。このほかにも、DMZにおいて、北朝鮮軍が機関銃を「意図的に誤射」することも考えられる。過去の事例から、北朝鮮軍戦闘機をDMZへ向かって飛行させ、ギリギリのラインで反転させるという行動に出る可能性もある。
北朝鮮軍の今後の行動は予断を許さないが、最近の北朝鮮の一連の行動は米国に向けたメッセージではなく、韓国だけを対象にしている。文在寅大統領は左派すなわち親北朝鮮派である。これは同時に親米ではないことを意味する。このため文在寅大統領は米韓関係よりも南北関係を重視するはずだ。
米国のトランプ大統領は自身の選挙で忙しく、関与しても支持率向上に寄与しない対北朝鮮政策は後回しにするだろう。したがって、米国が北朝鮮に軍事的圧力を加えるにしても、かなり限定的なものとなるだろう。
文在寅大統領は、北朝鮮軍と韓国軍の間で武力衝突が起きたとしても、北朝鮮を一時的に非難するだろうが、最終的には何らかの形(例えば、国際機関を通じて)で経済支援を行うことになる可能性が高い。矛盾しているように思われるだろうが、それが文在寅政権の“素性”なのだ。