韓国では、政府の要人や大事件のキーマンの自殺がたびたび報じられている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)元大統領が退任後に収賄容疑がかけられ、2009年に自殺したのはよく知られているが、こうした事件は近年も多数起きている。
2014年4月に沈没事故を起こしたセウォル号の実質オーナーだった兪炳彦(ユ・ビョンオン)元会長は、失踪した後、韓国南西部の順天市の山中で遺体で発見された。
同じく朴槿恵(パク・クネ)政権時代の2015年4月には、李明博(イ・ミョンバク)元大統領と関係が深かった中堅ゼネコン・京南企業の成完鍾(ソン・ワンジョン)会長が検察に不正疑惑で聴取を受けた後失踪し、ソウル市郊外の北漢山兄弟峰の付近で遺体となって発見された。自殺と見られている。
昨年、娘の大学不正入学疑惑や私募ファンドによる不正投資疑惑など数々の疑いで起訴された曹国(チョ・グク)前法務部長官の周辺にも、自殺と見られるケースが複数ある。2019年11月に曹氏のファンド運用関係者が遺体で発見されたほか、2019年12月には、曹国氏の関与も噂される選挙介入疑惑の重要参考人だった大統領府の行政官が、遺体となって発見された。
つい最近でも、寄付金の私的流用や不正会計を元慰安婦から告発された正義記憶連帯(旧挺対協)の前代表、尹美香(ユン・ミヒャン)国会議員に対する疑惑で、補助金の不正利用が疑われていたソウル市の慰安婦施設で所長を務めていた男性が今年6月に自宅の浴室で自殺している。