“永遠の若大将”と言われる原監督も今では62歳、西武の辻発彦監督と並んで球界最年長指揮官だ(今年終了時点の満年齢。以下同)。今季のセ・リーグ監督を年齢順に並べると、中日・与田剛監督55歳、広島・佐々岡真司監督53歳、阪神・矢野燿大監督、ヤクルト・高津臣吾監督52歳、DeNA・ラミレス監督46歳。全て原監督よりも年下であり、監督歴はラミレス監督が5年目、それ以外の4人は2年目以下となる。
「監督としての経験値で見れば、原監督は他の5球団の監督と比べて圧倒的です。その上に、巨人は戦力的にも揃っている。しかし、他の5球団が巨人に対して特別な作戦を仕掛けるわけでもなく、必死さが見られない。例えば、ローテーションを崩してエースをぶつけるわけでもないし、奇策を打つわけでもない。単に型通りにぶつかり、戦力通りに負けているという印象です。いわば、前頭が横綱に正攻法で勝負を挑んでしまっている。
今の巨人に他球団と同じ戦い方をしても、勝てるとは思えません。今年はCSもないわけですし、他球団の監督が束になって、『巨人包囲網』を仕掛けないと独走を許してしまいかねません。1980年代から1990年代にかけて、パ・リーグは西武が黄金時代を築いていた。その頃、近鉄の仰木彬監督は『西武包囲網』を他球団に呼びかけ、徹底的にエースをぶつけていた。あのくらい一致団結しないと、巨人を倒せないのではないでしょうか」
現役時代のキャリアを振り返ると、原監督は1981年に巨人に入団し、1995年まで現役を続けた。与田監督、佐々岡監督は1990年、矢野監督、高津監督は1991年にプロ入りしており、当時の巨人の4番は原監督だった。ラミレス監督に至っては、2008年から4年間原監督の元でプレーをしている。
「現在のセ・リーグ監督にとって、原辰徳監督は子供の頃に憧れたスター選手だったかもしれません。しかし、同じ監督という立場で勝負している以上、そんなことは関係ない。かつて、ヤクルトの野村克也監督が球界の至宝である巨人の長嶋茂雄監督を徹底的に口撃して揺さぶったように、もっとグラウンド外の心理戦も仕掛けるべき。