“登場人物が全員裏切り者”という過激な設定が話題の深夜ドラマ『ギルティ 〜この恋は罪ですか?〜』(読売テレビ制作、日本テレビ系)が最終回を迎える。巷で出会う人々の言動について人間ウォッチングが趣味という、エッセイストの小林久乃氏は、本作の登場人物の1人に、ある既視感を覚えたという。
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ドラマ『ギルティ』の物語はドロドロ恋愛モノだ。主人公は元彼が忘れられない、旦那は浮気する、その浮気相手は主人公を恨んでいる……と、混戦に継ぐ混戦。一瞬見逃すと物語の展開を追いづらくなる、深夜にふさわしいドラマだ。最終的に心に残ったのは、ヒロイン・荻野爽を演じた新川優愛の人並み外れた可愛らしさ。それから、話題を呼んだ中村ゆりか演じる敵役・及川瑠衣のいやらしさ。妖艶さと可愛らしさをちょうど良くミックスさせた表現はお見事だった。
この瑠衣が物語の諸悪の根源だった。大好きな義兄を自分の元に取り戻すべく体を張って、あの手この手で関わる人を苦しめていく。でも姿は可愛らしく、話し方も「知らなかったんですぅ」、「お久しぶり(ハート)」と、非常に甘く、ゆるい。役柄を一言でまとめると、女性の敵であり、男性の徹底した味方というところだろうか。でもこの様子が、とある女性たちの癖を彷彿させた。
「わかりましたぁ」──なぜ、“あ”が小文字に?
最近、世間でも“あざとい”など、危険警報を発する女性のことがトピックに挙げられるようになってきた。実は私、昔から言動の引っかかる男女をチェックしてきたので「やっと世間が気づいてくれたか!」とほくそ笑んでいる。どこか違和感のある言動に「近寄ったらまずいかも……」と軽ーく警戒をする、そんな女性たちを “あかん女”と個人的にカテゴライズしてみた。
ここ最近、私が気になっていた“あかん女”はLINEをはじめとする、SNSに多く見られる。SNSの普及によって、書くことは私たちの生活の身近なものになった。でも知っておいて欲しいのが、文章というのは誰でもクセがあって、知らぬ間に自分の個性を露呈している。私のように書くことを仕事のひとつにしていると、膨大な文章を目にする機会が多く、文体で「ああ、あの人か」と判別できる部分もあるほどになった。もちろん、自分の書いた文章で個性を露呈しまくっている自覚はある。