中国では新型コロナウイルスの流行によるロックダウン(都市封鎖)中に、ペットブームが加速。インターネット上での犬と猫のライブ映像へのアクセス数が年初から3.75倍にも急増したのに加え、オンライン販売でのペット用品の売上高も約300%増加するなど、ペットブームが空前の広がりをみせている。
外出自粛で人との交流が減るなかで、室内でペットのライブ動画を視聴したり、ペットと接したりするなどして、溜まったストレスを解消する傾向が強くなっているようだ。香港の英字紙『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』が報じている。
中国の電子商取引最大手「アリババ」傘下のオンライン販売「タオバオ」が運営する動画投稿サイトでは、新型コロナウイルスの感染が全国に急速に拡大した今年2月、ペットのライブストリーミングを毎日平均100万人以上が視聴するほど盛況だった。
また、ペット用品のオンライン販売は昨年、過去最高の300億元(4800億円)に達していたが、今年の上半期ではペット関連商品が昨年同期比300%増と急拡大している。そのなかでも、ペット用の食料品配達注文数は同135%増で、平均価格は1回あたり125元(約2000円)だったという。
中国政府傘下の中国国家統計局は、中国では2018年末時点で、全世帯の22%に当たる1億世帯がペットを飼っていたが、今年上半期では全体の30%に当たる1億6000万世帯に増えたとの暫定的な推定値を発表している。
この急増ぶりの背景には、新型コロナウイルスの感染拡大で、高齢者や独身者などの単身者世帯が寂しさを紛らわせるためにイヌやネコを飼い始めたことがあるようだ。