「新・3大栄養素」を多く含む食品

 免疫力を高めるための「新・3大栄養素」とも言うべきビタミンD、マグネシウム、亜鉛ですが、日々の食事によって補うことができます。

 ビタミンDが豊富な食品としては、まず魚が挙げられます。サーモン、メカジキ、サーディンなどにとくに多いようですが、あまり細かく考えずに魚を食べてください。魚は、マグロのような大きな回遊魚よりも、小さい魚のほうが水銀が蓄積しておらず安心です。

 さらに、DHA/EPAという良質の油を摂ることも考えると、青い魚がおすすめです。具体的には、イワシ、サンマ、サバなどがいいでしょう。ヒラメ、タイ、ウナギにも多く含まれ、とにかく魚を食べる生活でビタミンDが増えると考えてください。そのほか、魚以外では、卵や牡蠣、タコにも比較的多く含まれています。

 マグネシウムを多く含む食品は、まず緑色の濃い野菜が挙げられます。青汁の材料となるケール、ほうれん草、ブロッコリー、ゴーヤなどが代表格です。キャベツやレタスなどには少ないので、葉物野菜を食べるなら色が濃いものを選んでください。

 ひじき・海苔・昆布・わかめなど海藻類にも豊富です。海藻は腸内細菌のエサとなりますから、積極的に摂るといいでしょう。しかし海藻類の摂り過ぎは甲状腺機能にとってマイナスとなりますので、適量を心がけてください。

 納豆、みそ、豆腐など大豆製品もおすすめです。そのほか、アボカド、バナナ、ナッツ、シード類にも多く含まれます。穀類ならホールフード(加工や精製を抑えた植物性食品)がいいでしょう。同じ100g中でも、炊いた白米は7mg、玄米は49mgとマグネシウム含有量がかなり違います。小麦粉も同様で、精製してしまうとマグネシウムだけでなく大事なミネラル分が失われてしまいます。

 亜鉛を多く含む食品は、なんと言っても牡蠣に尽きますが、どうしても苦手な人は豚レバーやチーズ、卵黄、アーモンド、ピュアココア、抹茶、ごまなどにも比較的多く含まれているので意識して摂ってみてください。

 年齢や性別にかかわらず、ビタミンD、マグネシウム、亜鉛という3つの栄養素は、現代的な食生活をしている日本人の多くが不足している可能性が高いものです。日頃から意識してこれらの栄養素を摂るようにしましょう。

※『世界最新の医療データが示す最強の食事術 ハーバードの栄養学に学ぶ究極の「健康資産」の作り方』(満尾正/著)より抜粋して再構成

米国先端医療学会理事の満尾正医師

【プロフィール】
満尾正(みつお・ただし)/米国先端医療学会理事、医学博士。1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業後、内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療の現場などに従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、日本で初めてのアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医(日本人初)、米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医の資格を併せ持つ、唯一の日本人医師。著書に『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(アチーブメント出版)、『世界の最新医学が証明した 長生きする食事』(同)など。

関連キーワード

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン