また、インフラ輸出ではインドへの新幹線輸出の政府側責任者を務め、現地視察の際に部下だった大坪寛子・現厚労省審議官を同伴、「コネクティングルーム」に宿泊していた公私混同の“不倫出張疑惑”が報じられた。
加計学園問題では、文科省の前川喜平・元事務次官が、和泉氏に官邸に呼ばれて「総理は自分の口からは言えないから、私が代わりに言う」と獣医学部の早期開設を求められたことを明らかにしている(和泉氏は否定)。
改めて前川氏が和泉氏の手法を証言する。
「首相補佐官には各省庁に指示を出す権限はない。しかし、和泉氏は自分は次官より上だと思っているから官邸の自室に呼びつけるわけです。私の時も、“(獣医学部認可を)当然、やるんだろ”という感じで上から目線でいわれた。私は『大臣が決めることです』と答えたが、他の官僚は和泉氏のバックに菅さんがいると思っているから、断わるわけにはいかないんでしょう」
和泉補佐官は“汚れ役”を厭わず、菅氏の威光を振りかざしてきて強引に懸案を解決しようとしてきたことがわかる。
「菅さんはその能力を高く買っており、菅政権になってから和泉補佐官はますます権勢を振るい、総理は官邸での各省幹部との協議には和泉氏を同席させて内政も外交も意見を求めるようになった」(官邸の中堅官僚)
首相動静を見ると、政権発足以来、菅首相と会った回数が最も多いのが和泉氏、次が北村国家安全保障局長となっている。
いま和泉氏はコロナ対策から、菅政権の看板「デジタル庁」創設のために新設されたワーキンググループの実質責任者となり、“不倫外遊”でミソをつけた新幹線輸出でもインド高速鉄道に関する日印合同委員会の共同議長として入札方式を協議、さらに首相の外遊に随行するなど“寵臣”ぶりを発揮している。
※週刊ポスト2020年11月6・13日号