工藤監督は選手起用でもソツがない(時事)
原はGMの役割も兼ねる全権監督というが、それも良くない。監督の使命は選手を育て、うまく動かすことだし、GMはそのための選手を集め、監督の采配が間違っていたら指摘する。監督を選ぶ権利もGMにあります。そういう役割分担を考えずに全権監督などと言っていれば、チームは強くなりません。
アメリカでは、GMは5人の先発投手を揃えて、それを監督が中4日で回す。揃えるのはGMの役目だし、うまく使うのは監督の役目です。日本では、中6日で先発させて投手が足りないというのはおかしい。それだけ休養して5回まで投げればいいというところだけメジャーの真似をしていれば、選手はそれに合わせたスタミナしかつけません。
今年のソフトバンクは確かに強かった。しかし、カワさん(川上氏)が監督だったV9チームなら、戦力の優劣にかかわらず、どうやって倒すか研究と工夫をしたでしょう。まず、キャッチ―の甲斐拓也がベンチに引っ込むように考えたのではないか。それができれば投手陣の力が半減する。カワさんだったら、そのために何をするか戦略を立て、“オレの言うとおりにすれば勝てる”と言い切ったでしょう。それが本物の監督です。選手から“鬼”と呼ばれて一流で、“いい監督”なんて言われるのは馬鹿にされている証拠なんですよ。