ビジネス

GoTo停止、旅行代理店社長の本音「春節に期待するしかない」

GoToトラベルで業績回復を期待していた(AFP=時事)

GoToトラベルで業績回復を期待していた(AFP=時事)

 旅行業とそれに付随する様々な経済をまわそうと政府が始めたGoToトラベル事業は、観光庁によれば「ウィズコロナの時代における「新しい生活様式」に基づく旅のあり方を普及、定着させるもの」だ。しかし国内旅行客を中心に適用が始まり、年末年始の休暇へ向けていよいよ本格運用というタイミングで停止が決まった。俳人で著作家の日野百草氏が、「春節さまさま」という旅行会社社長に、今年の春節について残る後悔と新型コロナウイルス対応への複雑な気持ちをレポートする。

 * * *
「年末年始の書き入れ時にGoToトラベルの中止なんてね、それも突然ですよ」

 いつもは気さくな社長の声が尖る。社長は50代、都内で小さな旅行代理店を営業している。私の昨年亡くなった父親はこの旅行会社と懇意にしていた。私にとってこの会社の封筒は大手旅行会社より馴染みがある。夏休みや年末年始、家族旅行のために届くパンフレットは楽しみであった。現社長は二代目(先代と血縁関係はない)で、いまも会社は小さなままだが社歴は長い。

「従業員総出です。これだけ集まるのは久しぶりですね」

 小さなワンフロアオフィスなので応接セットの声は社内に筒抜けだが、社長は意に介さない。会議スペースのような一角ではこちらも意に介さず、女性たちが中心になって書類の整理に追われている。こんな忙しいときに申し訳なく思うが、言いたいことが山ほどあるという社長の呼び出しにそれではとお邪魔した。コロナ禍の大幅な仕事減から一部の委託添乗員やパートは自宅待機としていたそうだが、降って湧いた緊急事態に招集がかかった。

「キャンセルの処理とかクーポンの返却、予約を一から洗い出して明日からはまた顧客からの電話を待ちます。もちろん法人とかお得意様にはこちらからもかけますよ、あれこれ多過ぎますが片っ端から片付けるしかない」

 2020年12月14日、政府は突如としてGoToトラベルの全国一斉一時停止を決めた。それまでは東京都や名古屋市など、地域を限定しての停止を検討していたはずが、いきなり全国対象、GoToトラベルそのものを一時的に停止することを発表した。新型コロナウイルス感染症対策本部を首相官邸で開き、菅義偉総理みずから専門家の意見を取り入れるかたちで決断した。

「首相はGoToトラベルがコロナを拡げてるとは言ってないでしょう。なのに一時停止する、これどういうことですか」

トピックス

女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
【薬物検査どころじゃなかった】広末涼子容疑者「体を丸めて会話拒む」「指示に従わず暴れ…」取り調べ室の中の異様な光景 現在は落ち着き、いよいよ検査可能な状態に
NEWSポストセブン
運転中の広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
《広末涼子の男性同乗者》事故を起こしたジープは“自称マネージャー”のクルマだった「独立直後から彼女を支える関係」
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
《病院の中をウロウロ…挙動不審》広末涼子容疑者、逮捕前に「薬コンプリート!」「あーー逃げたい」など体調不良を吐露していた苦悩…看護師の左足を蹴る
NEWSポストセブン
北極域研究船の命名・進水式に出席した愛子さま(時事通信フォト)
「本番前のリハーサルで斧を手にして“重いですね”」愛子さまご公務の入念な下準備と器用な手さばき
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(写真は2023年12月)と事故現場
《広末涼子が逮捕》「グシャグシャの黒いジープが…」トラック追突事故の目撃者が証言した「緊迫の事故現場」、事故直後の不審な動き“立ったり座ったりはみ出しそうになったり”
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者(2023年12月撮影)
【広末涼子容疑者が追突事故】「フワーッと交差点に入る」関係者が語った“危なっかしい運転”《15年前にも「追突」の事故歴》
NEWSポストセブン
自宅で亡くなっているのが見つかった中山美穂さん
《中山美穂さん死後4カ月》辻仁成が元妻の誕生日に投稿していた「38文字」の想い…最後の“ワイルド恋人”が今も背負う「彼女の名前」
NEWSポストセブン
山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン