ライフ

鎌田實氏 価値大転換時代は「らしさ」という自主規制を取り払え

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師

 新型コロナウイルスの再拡大により、働き方、暮らし方、生き方を考え直すことになった人も多いだろう。いままで「らしさ」にこだわってきた諏訪中央病院名誉院長の鎌田實医師が、その「らしさ」という自主規制を取り払おうと考えるに至った体験を明かす。

 * * *
 ぼくはけっこう「らしさ」にこだわって生きてきた。「鎌田らしくない」と思うものは、できるだけ避けてきた。

 10年ほど前、テレビの出演依頼が相次いだ時期がある。自分で言うのもなんだが、わりと引っ張りだこで、NHK紅白歌合戦の特別審査員なんかにもなった。『ビートたけしのTVタックル』や爆笑問題の番組などからも出演依頼があったが、お断りした。田舎医者のぼくらしくないと思ったからだ。

 昨年12月、オンライントークイベントがあった。テーマは、「常識を更新せよ。多様化する社会の新ルールブック」。参加者は、ふだん、あまり接点のないメンツである。以前のぼくなら、「鎌田らしくない」と思って、出演を断っていたかもしれない。けれど、今回は話してみたい人がいた。鈴木涼美さんである。

顔はたくさんあったほうがいい

 父親は大学の名誉教授、母親は翻訳家。本人は、慶応大学環境情報学部を卒業し、東京大学大学院学際情報学府の修士課程を修了。日本経済新聞に5年ほど勤めている。その一方で、中学から高校の頃には、パンツを売るブルセラ少女だった。AV女優の経験もあり、『「AV女優」の社会学』をはじめ、作家としてたくさんの本を書いている。

 こんな肩書は見たことがない。鈴木涼美さん、実際に会ってみると、さらにぶっとんでいた。

「経歴だけで出オチなんです。よくいる文系の物書きの路線と、ブルセラ少女からAV女優というよくある路線を、同時にやっただけのことです。どちらも一つひとつは没個性なんですが、意外なところを組み合わせると商品になる。抱き合わせ商法です」

 なるほど、いくつもの顔を持つ鈴木さんは、元新聞記者らしくもないし、作家らしくもない、元AV女優らしくもない。紋切り型の「らしさ」から脱することができるのは、いくつもの顔を持つからなのだろう。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン