芸能

真打ち昇進で新亭号「弁財亭」を考案 これから面白い女性の落語

新しい亭号「弁財亭」を考案した三遊亭粋歌(イラスト/三遊亭兼好)

新しい亭号「弁財亭」を考案した三遊亭粋歌(イラスト/三遊亭兼好)

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接してきた。広瀬氏の週刊ポスト連載「落語の目利き」より、3月の真打ち昇進にあわせて新しい亭号「弁財亭」を考案した三遊亭粋歌など、これからが面白い女性の落語についてお届けする。

 * * *
 女性目線の新作落語で人気の三遊亭粋歌が3月21日から真打に昇進して「弁財亭和泉」を名乗る。「弁財亭」はこれまでの落語の歴史にはなかった亭号で、師匠の三遊亭歌る多(女性初の真打)から「独立するつもりで新しい名前を名乗るように」と言われ、「女性らしくて意味のある亭号を」と粋歌が自ら考案したという。芸能を司る女性神の弁財天は「弁才」の神でもあり、「和泉」は新作落語のアイディアが泉のように湧き出る、というイメージ。「弁財亭」との相性も良い。

 この弁財亭和泉襲名を「素晴らしい!」と絶賛するのが、かねがね粋歌の才能を尊敬していると公言してきた女性真打の柳亭こみちだ。「古典落語に新たな女性キャラクターを登場させる」という手法に開眼した最近のこみちは次々と新演出による古典改作を生み出し、「女性目線の古典」のパイオニア的な存在となっている。若手の女性落語家たちにとって、心強い先輩だ。

 昨年末、僕のプロデュースする「代官山落語夜咄」という落語会で、「こみち・粋歌」の二人会を行なった。代官山のライヴハウス「晴れたら空に豆まいて」で不定期開催しているこのイベントは、前半に落語、後半は僕と出演者とのロングトークという構成が“売り”だ。

 粋歌が演じたのは去年作った『女の鞄』。「働く女性は“もしも”のためにいろんな物を常に持ち歩くので鞄が重くなる」という“OLの鞄あるある”がテーマ。着眼点も見事だが、それを万人が爆笑できる落語に仕立てる粋歌の才能に脱帽だ。

関連キーワード

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン